こんにちは!
今回は解釈が分かれる万葉集をご紹介します
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草陰の 安努な行かむと 墾りし道
安努は行かずて 荒草立ちぬ
くさかげの あのないかむと はりしみち
あのはいかずて あらくさだちぬ
【現代語訳】
安努に恋人がいるので通おうと思って 切り開いた道なのに
安努に行くことが少ないので 雑草が生い茂ってしまった
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安努(あの) は
現在の沼津市原町
当時で言うと 駿河国の阿野荘 のことと思われます
句の解釈はさまざまです
安努は行かずて の意味合いを
①安努に行くことが少ない
②安努に行く人が少ない
どちらでもとらえられるようです
①行くことが少ない とすると
道をつくったのに安努に行かなくなってしまった自分を
責めているような印象も受けます
または、恋人との関係が薄くなったのかな?
と勘ぐってしまいます
②行く人が少ない とすると
切り開いた道を 使ってくれる人が少ない
自分のためでもあるけれど、人々のためにもなると思って
道をつくったのに、使ってもらえなくて残念
という印象になります
限られた文字数で
読んだ人全員にわかるように
気持ちや状況をすべて表現することはできません
ですが
時代背景や土地のことを知っていると
言葉や句全体の雰囲気から
読み取れることも増えます
少しの情報でも
感じ取れることが多い方が
何事も面白く感じることができる気がします