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皆戸中建築ブログ

道を行くのは? ~万葉集~

2024.06.20 / スタッフブログ

こんにちは!

今回は解釈が分かれる万葉集をご紹介します


草陰の 安努な行かむと 墾りし道 
安努は行かずて 荒草立ちぬ

くさかげの あのないかむと はりしみち
あのはいかずて あらくさだちぬ

【現代語訳】

安努に恋人がいるので通おうと思って 切り開いた道なのに
安努に行くことが少ないので 雑草が生い茂ってしまった


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安努(あの) 
現在の沼津市原町 
当時で言うと 駿河国の阿野荘 のことと思われます



句の解釈はさまざまです

安努は行かずて の意味合いを

①安努に行くことが少ない

②安努に行く人が少ない

どちらでもとらえられるようです


①行くことが少ない とすると

道をつくったのに安努に行かなくなってしまった自分を

責めているような印象も受けます


または、恋人との関係が薄くなったのかな?

と勘ぐってしまいます


②行く人が少ない とすると

切り開いた道を 使ってくれる人が少ない

自分のためでもあるけれど、人々のためにもなると思って

道をつくったのに、使ってもらえなくて残念

という印象になります



限られた文字数で
読んだ人全員にわかるように
気持ちや状況をすべて表現することはできません


ですが
時代背景や土地のことを知っていると
言葉や句全体の雰囲気から
読み取れることも増えます


少しの情報でも
感じ取れることが多い方が

何事も面白く感じることができる気がします