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皆戸中建築ブログ

飛鳥川 ー万葉集ゆかりの地ー

2024.08.02 / スタッフブログ

こんにちは!

今回は真夏の恋のすれ違いを歌った万葉集をご紹介します


飛鳥川 下濁れるを 知らずして 背ななと二人 さ寝て悔しも

あすかがわ したにごれるを しらずして せななとふたり さねてくやしも

【現代語訳】

飛鳥川の底が濁っているように
あなたの心が濁っているのを気づかずに共に寝てしまい
大変悔しいことです


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全体的に不穏な雰囲気が感じ取れる歌です


下濁れる とは 男性の本心が不誠実だったことのたとえです

川は表面的には清く美しく見えるけれど、底は汚く濁っていることもあります

男性の態度がそのように見えたのでしょう


せなな とは 女性から夫、または親しい男性を呼ぶときの言葉

それでも女性側は相手をいとおしく思っているようです


この歌単体だと、悪い男にはまってしまった女性の歌なのかな?という気がしますが

この歌には返歌があり、男性側の気持ちもくみ取ることができます


飛鳥川 塞くと知りせばあまた夜も 率寝て来ましを 塞くと知りせば

あすかがわ せくとしりせば あまたよも ゐねてこましを せくとしりせば

【現代語訳】

飛鳥川の流れを遮るように ふたりの仲も終わってしまうことを知っていたなら 
幾夜でも  連れ出して来てもっと共に寝たのに
終わってしまうことを知っていたならば


男性には何か事情があるのでしょうか

本当の本当はもっと一緒にいたかったのにいられない

残念な気持ちから 女性に不誠実な態度をとってしまったのかもしれません

どちらの歌も飛鳥川を使用していますが
2人の見解はまったくちがいます


すれちがう男女を描いた歌でした