こんにちは!
今回は伊豆の海にまつわる万葉集をご紹介します
伊豆は東海道からはずれていたせいか
万葉集に登録された歌はあまりなく
貴重な一首です
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伊豆の海に 立つ白雲の 絶えつつも 継がむと思へや 乱れそめけむ
いずのうみにたつ しらくもの たえつつも つがむともへや みだれそめけむ
作者未詳 巻十四 三三六〇
伊豆の海に湧き立つ白雲のように、湧きあがっては消え
湧いてはまた流れ去ってゆく
そのようにお互いの行き来が途絶えがちであっても、
なお 二人の仲を続けようと思う気持ちが私にあるから、
心が乱れはじめてしまったのでしょうか
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乱れそめけむ は
相手に逢いたいゆえ心が乱れるという意味だそう
現代のミュージシャンも
海の白波と恋心を重ね合わせる詩を書くことが多いですが
奈良時代の人も同じようです
相手はそこまで気持ちがないのに
繋ぎとめようと乙女の心が乱れるさまは
なんとも切ないです
いつの時代も人の心は変わりませんね